漏電の原因は
ブレーカーで自分で絞り込める
総当たり切り分け手順・似た現象との見分け・業者を呼ぶ境界線まで
「ブレーカーが頻繁に落ちる」「家電に触れるとピリッとする」——こうした症状は、家のどこかで漏電が起きているサインかもしれません。漏電は放置すると感電や火災につながる危険な現象です。
ただし、原因となっている回路や家電は、分電盤のブレーカーを使えば専門知識がなくても自分である程度まで絞り込めます。
この記事では、ブレーカーを使った総当たりの切り分け手順を中心に、漏電に似た別現象との見分け方、テスター類の基礎、自分で対処できる範囲と業者を呼ぶべき境界線、季節ごとの漏電パターンまで、安全を最優先に解説します。
📋 目次
- まず確認|本当に漏電か?よくあるサイン
- 漏電に似た別現象との見分け方
- 漏電の主な原因6つ
- ブレーカーで原因回路を特定する総当たり手順
- 回路を絞った後の家電・コンセント特定法
- テスター・クランプメーターでの調べ方と注意点
- 自分で対処OK/業者必須の境界線
- 季節・天候別の漏電パターンと予防
🔍まず確認|本当に漏電か?よくあるサイン
調べ方に入る前に、まず「本当に漏電が起きているのか」を確認しましょう。漏電には典型的なサインがあります。
約8,000件
家庭での漏電事故
年間に発生するとされる件数の目安
0.1秒
漏電ブレーカーの遮断
漏電検知から電気を遮断する速さ
50mA
命に関わる電流の目安
わずかな漏れでも危険につながる
漏電が疑われる5つのサイン
次のチェックリストで、当てはまる項目がないか確認してください。複数当てはまる場合は漏電の可能性が高まります。
- ✓ 漏電ブレーカーが落ちる・頻繁に落ちる分電盤の中で、テストボタンが付いた少し大きめのブレーカーが「切」になっていたら漏電の可能性大。
- ✓ 家電や金属部分に触れるとピリピリする洗濯機・冷蔵庫・電子レンジの金属部に触れた際の微弱な刺激は、漏電の初期症状の典型です。
- ✓ 使い方を変えていないのに電気代が急に上がった漏れた電気もメーターに計上されるため、原因不明の電気代上昇は漏電のサインのことがあります。
- ✓ 雨の日や湿気の多い日に調子が悪くなる水分が絶縁を低下させるため、雨の日だけブレーカーが落ちるのは漏電の特徴的なパターンです。
- ✓ 焦げ臭い・コンセント周りが変色している異臭や変色は危険度が高いサイン。この場合はすぐに使用を中止してください。
⚠ 焦げ臭い・発熱・煙が出ている場合は調査より先に安全確保
自分での調査が許されるのは「異臭・発熱・煙がない」場合だけです。これらの症状があるときは、無理に調べず該当機器のプラグを抜き、ブレーカーを落として、すぐに専門業者へ連絡してください。
🔀漏電に似た別現象との見分け方
ブレーカーが落ちる原因は漏電だけではありません。原因を取り違えると対処を誤るため、まず「どのタイプか」を見極めましょう。
| 現象 | 落ちるブレーカー | 主な特徴 | 正しい対処 |
|---|---|---|---|
| 漏電 | 漏電ブレーカー(テストボタン付き) | 電気の使用量に関係なく落ちる。雨の日に多い | 回路の切り分け調査 |
| 容量オーバー (アンペアブレーカー) | 主幹(契約アンペア)ブレーカー | 家電を一度に多く使ったときに落ちる | 同時使用を減らす/契約A数の見直し |
| 回路の使い過ぎ | 安全ブレーカー(小さい個別ブレーカー) | 特定の部屋で家電を使い過ぎたとき落ちる | その回路の消費電力を分散 |
| 短絡(ショート) | 安全ブレーカーが瞬時に落ちる | コードの破損・差し込み時に火花 | 使用中止し業者へ(火災リスク高) |
| トラッキング現象 | 必ずしも落ちない | 差しっぱなしプラグのホコリ+湿気で発火 | プラグ清掃・抜き差し点検 |
見分けの第一歩は「どのブレーカーが落ちたか」:テストボタンの付いた漏電ブレーカーが落ちていれば漏電、主幹のアンペアブレーカーなら容量オーバーの可能性が高いです。分電盤の3種類のブレーカーの役割を理解しておくと判断が早くなります。
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分電盤の各ブレーカーの役割を詳しく知りたい方はこちら。
ブレーカーの役割とは?家庭での仕組みと重要性
⚡漏電の主な原因6つ
漏電は「絶縁(電気を通さない状態)」が何らかの理由で損なわれることで起こります。家庭・現場でよくある原因は次の6つです。
① 配線・コードの経年劣化
電線の被膜(絶縁体)は時間とともに硬化・ひび割れします。築20年以上の住宅や古い延長コードは要注意です。
対策:傷んだコードは交換。古い屋内配線は点検を依頼
② 水・湿気の侵入
水は電気を通すため、コンセントやコードに水がかかると絶縁が低下します。水回り・屋外・結露しやすい場所で多発します。
対策:水回りは防水コンセント、屋外は防雨カバーを使う
③ 家電製品の故障・内部劣化
洗濯機・冷蔵庫・エアコンなど水や熱を扱う家電は、内部の絶縁劣化で漏電しやすい代表格です。
対策:アース接続を徹底。異常があれば使用中止
④ アース(接地)不良
アースが正しく接続されていないと、漏れた電気の逃げ道がなく、人体に流れて感電のリスクが高まります。
対策:洗濯機・電子レンジ等はアースを必ず接続
⑤ ネズミ・害虫による配線損傷
天井裏や壁内の配線がネズミにかじられ、被膜が破れて漏電するケースがあります。原因不明の漏電で見落とされがちです。
対策:侵入経路をふさぐ。天井裏点検を業者に依頼
⑥ 施工不良・DIY工事のミス
過去の配線工事や自己流のDIYで結線が不適切だと、その箇所から漏電します。資格が必要な工事を無資格で行うのは違法です。
対策:屋内配線は電気工事士に依頼する
🪜ブレーカーで原因回路を特定する総当たり手順
ここが調べ方の核心です。テスターがなくても、分電盤のブレーカーを順番に操作すれば「どの回路で漏電しているか」を絞り込めます。落ち着いて1ステップずつ進めてください。
作業前の安全確認:濡れた手で作業しない/ゴム底の靴やスリッパを履く/分電盤の周りを明るくする(懐中電灯を用意)。少しでも不安があれば、この作業は行わず業者に相談してください。
1
すべての安全ブレーカー(個別の小さいスイッチ)を「切」にする
分電盤を開け、右側に並んでいる小さな個別ブレーカー(安全ブレーカー)をすべて「切」にします。これで全回路がオフになります。
▼
2
主幹ブレーカーと漏電ブレーカーを「入」にする
左側にある大きな主幹(アンペア)ブレーカーと、その隣のテストボタン付き漏電ブレーカーを「入」にします。この時点で個別回路はまだ全部オフです。
ここで漏電ブレーカーが落ちる場合 → 分電盤本体や主幹側の問題。すぐに業者へ連絡してください。
▼
3
安全ブレーカーを1つずつ「入」にしていく
個別の安全ブレーカーを、端から1つずつ「入」にします。1つ入れるごとに数秒待ち、漏電ブレーカーが落ちないか確認しながら進めます。
焦らず、必ず1つずつ。複数を一度に入れると、どの回路が原因か特定できなくなります。
▼
4
漏電ブレーカーが落ちた瞬間の回路が「原因回路」
ある安全ブレーカーを「入」にした瞬間に漏電ブレーカーが落ちたら、その回路が漏電している回路です。分電盤に部屋名のラベルがあれば、どのエリアかも分かります。
原因回路を特定したら、その安全ブレーカーは「切」のままにし、他の回路は「入」に戻せば、漏電箇所以外の電気は使えます。
このステップでわかること:「家のどのエリア(回路)で漏電しているか」が分かります。次のセクションで、その回路内のどの家電・コンセントが原因かをさらに絞り込みます。
関連
原因が特定できず繰り返しブレーカーが落ちる場合はこちらも参考に。
原因不明で落ちるブレーカー|考えられる原因と対処
🔌回路を絞った後の家電・コンセント特定法
原因回路がわかったら、今度はその回路につながっている家電やコンセントのどれが原因かを特定します。
1
原因回路につながる家電のプラグをすべて抜く
特定した回路(部屋)にあるコンセントから、家電製品のプラグをすべて抜きます。これで回路に機器がつながっていない状態にします。
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2
その回路のブレーカーを「入」にする
家電を抜いた状態で原因回路のブレーカーを入れます。ここで漏電ブレーカーが落ちなければ、原因は「家電のどれか」。落ちる場合は「配線・コンセント側」の問題です。
配線・コンセント側が原因の場合は、自分で対処できません。業者に依頼してください。
▼
3
家電を1つずつ挿し直して原因を特定する
家電が原因と分かったら、プラグを1つずつ挿し直します。ある家電を挿した瞬間に漏電ブレーカーが落ちたら、その家電が漏電の原因です。
原因の家電は使用を中止し、メーカー修理または買い替えを検討してください。
切り分けの考え方:「回路 → 家電 or 配線 → 個別の家電」という順で範囲を狭めていくのがコツです。家電が原因なら自分で対処できますが、配線・コンセント側なら専門業者の領域です。
🛠️テスター・クランプメーターでの調べ方と注意点
より正確に漏電を調べるには専用の測定器を使います。ただし、これらは扱いを誤ると機器の破損や事故につながるため、基礎知識を押さえておきましょう。
| 測定器 | 何を測るか | 使う人 |
|---|---|---|
| 絶縁抵抗計 (メガテスター) | 配線・機器の絶縁性能(絶縁抵抗値)。漏電の「健康診断」 | 主に電気工事士 |
| クランプメーター (漏れ電流計) | 電線に流れる漏れ電流をリアルタイムで測定 | 主に電気工事士 |
| 一般的なテスター (回路計) | 電圧・抵抗。漏電調査には不向き | — |
⚠ 普通のテスターで漏電は調べられない
家庭用の一般的なテスター(回路計)の抵抗モードで通電中の回路を測るのは絶対にNGです。正確に測れないばかりか、感電や機器破損の危険があります。絶縁抵抗の測定には専用のメガテスターが必要で、通電を止めて行うなど正しい手順が求められます。
絶縁抵抗値の目安
電気設備技術基準では、回路の電圧区分ごとに最低限保つべき絶縁抵抗値が定められています。一般家庭の100V・200V回路では、おおむね0.1〜0.2MΩ以上が基準です。これを下回ると漏電の可能性が高いと判断されます。
測定器は「持っていても使い方が重要」:メガテスター・クランプメーターは、測定箇所の選定や数値の読み取りに専門知識が要ります。精密機器に高電圧をかけて壊すリスクもあるため、確実な調査は電気工事士に任せるのが安全です。
🚧自分で対処OK/業者必須の境界線
漏電調査でいちばん大切なのは「どこまで自分でやって、どこから業者に任せるか」の線引きです。無理は禁物です。
| 状況 | 自分で対処 | 理由・対応 |
|---|---|---|
| ブレーカーでの回路切り分け | OK | スイッチ操作のみ。安全に原因回路を絞れる |
| 家電のプラグ抜き差しでの特定 | OK | 原因家電は使用中止・修理・買い替えで対応 |
| 傷んだ延長コードの交換 | OK | 市販品への交換は資格不要 |
| コンセント・壁内配線が原因 | NG | 屋内配線工事は電気工事士の資格が必要 |
| アース工事・分電盤の修理 | NG | 感電・火災リスク大。必ず有資格者へ |
| 焦げ臭い・発熱・煙がある | NG | 調査より安全確保優先。即業者・消防へ |
どこに相談すればいい?
家
一般家庭
地域の電気工事業者へ。漏電調査・配線修理・コンセント交換まで一括で対応してもらえます。
ビ
ビル・工場
電気保安協会や保安管理を委託している業者へ。設備が大きく、専門的な絶縁調査が必要です。
急
緊急時
発火・煙が出ているなら消防(119)。停電を伴う大きな異常は電力会社にも連絡を。
漏電調査・修理は斉木電気設備にご相談ください
原因が配線・コンセント側にある場合や、調べても特定できない場合は、無理せずプロにお任せください。安全に原因を突き止め、確実に修理します。漏電トラブルを相談する
🗓️季節・天候別の漏電パターンと予防
漏電は季節や天候と深く関係しています。発生しやすいタイミングを知っておくと、予防と早期発見に役立ちます。
梅雨(6〜7月)
湿気による絶縁低下が最も多い時期
空気中の水分が多く、コンセントや配線の絶縁が下がりやすい季節です。雨の日だけブレーカーが落ちるなら漏電を強く疑います。
- 水回り・屋外コンセントの濡れをこまめに拭く
- 使わない屋外機器はプラグを抜く
台風・大雨の後
浸水・雨吹き込みによる漏電
屋外設備やエアコン室外機、床下への浸水が原因で漏電が発生します。台風通過後にブレーカーが落ちる場合は要注意です。
- 浸水した家電は乾くまで使用しない
- 床下浸水があった場合は通電前に点検を依頼
冬(12〜2月)
結露による窓際・水回りの漏電
室内外の温度差で発生する結露が、窓際のコンセントや家電に侵入して漏電を起こします。暖房家電の使用増も負荷を高めます。
- 窓際のコンセント周りの結露を拭く
- 加湿器の置き場所をコンセントから離す
通年
日常の習慣で防げる漏電
季節を問わず、日々の使い方で漏電・火災リスクは大きく下げられます。
- たこ足配線・コードの束ね使いを避ける
- 差しっぱなしプラグのホコリを定期的に清掃(トラッキング対策)
- アース付き家電は必ずアースを接続する
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漏電原因がわからない方必見|自分でできる調べ方・対処法
📌 この記事のまとめ
- まず「漏電ブレーカーが落ちる」「触るとピリピリ」「雨の日に異常」などのサインで漏電かを確認する。
- ブレーカーが落ちる原因は漏電以外(容量オーバー・ショート・トラッキング)もある。どのブレーカーが落ちたかで見分ける。
- 漏電の主因は経年劣化・水濡れ・家電故障・アース不良・害虫・施工不良の6つ。
- 調べ方の核心は「全ブレーカーを切→主幹を入→個別を1つずつ入」で原因回路を総当たりで特定すること。
- 回路を絞ったら家電のプラグを1つずつ挿し直し、家電が原因か配線が原因かを切り分ける。
- 普通のテスターでは漏電は調べられない。絶縁抵抗計・クランプメーターは専門知識が必要。
- 自分でできるのは「切り分け」まで。配線・コンセント側や異臭・発熱があれば必ず業者へ。
- 梅雨・台風後・冬の結露は漏電が起きやすい。日常はたこ足配線回避とプラグ清掃で予防する。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。漏電は感電・火災の危険を伴います。少しでも不安がある場合や、配線・分電盤側に原因がある場合は、無理に作業せず電気工事士などの専門業者に依頼してください。屋内配線工事には電気工事士の資格が必要です。