【事例でわかる】オフィスの省エネは“電気設備”から:電気代を下げる5ステップ

「電気代が上がっているのは分かる。でも、何をするとどれくらい下がるのか分からない」
「節電ルールを作っても、忙しくなると形骸化する」
この2つは、総務・経営者の方から最も多い“省エネのつまずき”です。

結論から言うと、オフィスの省エネは気合いの節電より、電気設備の見直しで“ムダが起きにくい仕組み”を作るほうが再現性があります。特にオフィスでは、エネルギー消費の中心が「空調」「照明」「コンセント(OA機器など)」に偏りやすく、ここを押さえるだけで改善が進みます。

この記事では、難しい理屈よりも「現場で成果が出る順番」を重視し、事例形式で“自社で何を決め、電気設備会社に何を頼むべきか”まで整理します。


1. まず把握:オフィスの省エネは「①見える化→②運用→③設備」で成功確率が上がる

省エネというと、いきなり「LEDに交換」「空調更新」「BEMS導入」などの設備投資に目が行きがちです。もちろん効果は期待できますが、現状把握なしの投資は“効かない更新”になりやすいのが落とし穴です。

中小企業のオフィスでおすすめの順番は、次の5ステップです。

  • ステップ1:請求書・契約・ピーク(デマンド)を把握
  • ステップ2:電力の“見える化”でムダ時間を発見
  • ステップ3:運用改善(ルール)を“自動化”で続ける
  • ステップ4:照明・空調・コンセントを設備で最適化
  • ステップ5:効果検証→次の一手(PDCA)

「体制づくり」「見える化」「PDCAが重要」という整理は上位記事でも強調されていますが、実務では“見える化の粒度”と“続く仕組み化(自動化)”が勝負所になります。


2. ステップ1:総務が最初に確認すべき「契約・請求」の3点

省エネを始める前に、まずここだけ確認してください。

  • 電力契約(kW):基本料金に影響する
  • 使用量(kWh):従量料金に影響する
  • 最大需要電力(デマンド):契約・基本料金の見直し余地につながることがある

「使用量を減らす」だけではなく、「ピークを下げる」ことで基本料金側に効くケースがあるため、請求書の読み方だけでも省エネの打ち手が変わります。


3. ステップ2:見える化で“夜間・休日のムダ”をあぶり出す(事例)

事例:夜間ベース負荷が高く、原因は「止まっていない機器」だった

あるオフィスで、月次の電気代がじわじわ上がっていました。点検の第一歩として「いつ電気を使っているか」を見ると、夜間・休日も一定の使用が続く状態。
ここで重要なのは「頑張って消灯する」より、“止まっていない回路・機器”を特定することです。

よくある原因は次のようなものです。

  • サーバー室・ネットワーク機器の常時稼働(必要分は当然OK。ただし過剰が混ざりやすい)
  • 自販機・給湯・換気などの運転が“設定のまま”
  • 空調が一部スケジュールから漏れている
  • トイレ・倉庫・廊下が常時点灯のまま

この段階では大きな工事は不要で、まずは計測(見える化)→現地確認→原因の切り分けが効果的です。
見える化の概念自体は一般にも整理されています。


4. ステップ3:運用改善は「自動化」しないと続かない

総務がルールを作っても、忙しい時期に形骸化するのは自然なことです。だからこそ、省エネは“人の頑張り”より**設備で仕組み化(自動化)**するのが正攻法です。

代表例は次の通りです。

  • 人感センサー:消し忘れをゼロに近づける
  • タイマー・スケジュール:夜間・休日のムダ運転を防ぐ
  • ゾーニング(回路分け):必要な場所だけ点灯・運転できるようにする

5. ステップ4:効果が出やすい3領域(照明/空調/コンセント)を“電気設備”で最適化する

5-1. 【照明】LED化“だけ”で終わらせず、制御まで入れて効かせる(事例)

事例:LED化はしたのに、電気代が思ったほど下がらない

このケースの原因は「点灯時間が減っていない」ことが多いです。
そこで、LED更新に加えて次をセットで行います。

  • 人感センサー:会議室・倉庫・更衣室など“滞在が短い部屋”に特に有効
  • 明るさセンサー/窓際のゾーン制御:昼間の自然光を活かす
  • 回路の切り分け:部分消灯できない配線を見直す

照明更新の写真イメージとして、LED照明の更新事例画像を記事内に差し込むと読者理解が進みます。
画像例:日本照明工業会の施工事例ページ


5-2. 【空調】更新前に“ムダ運転”を疑う(スケジュール・同時運転・メンテ)

空調はオフィスの中でも影響が大きく、対策の優先度が上がりやすい領域です。

ただし、更新は高額になりやすいので、まずは次をチェックします。

  • 運転スケジュール:始業前・終業後・休日の運転が残っていないか
  • 同時運転のムダ:フロア内で冷房/暖房が混在していないか
  • フィルター・室外機環境:基本だが効く(やっていない会社が多い)

ここで“ムダ運転”を潰してから更新検討すると、設備容量や仕様が適正化しやすく、投資対効果が上がります。


5-3. 【コンセント(OA機器)】待機電力と「止め方の設計」で差がつく

コンセント周りは個々の機器が小さく見えても、台数×時間で効いてきます。
ポイントは「抜く/切る」を個人任せにしないこと。

  • スイッチ付きタップ・回路で“まとめてOFF”できるようにする
  • 共有プリンタ・シュレッダーなどは設置場所と運用ルールを見直す
  • サーバー・ネットワークは“必要な常時稼働”を守りつつ、過剰を落とす

6. ステップ4の裏ワザ:デマンド対策は「基本料金」に効くことがある(事例)

事例:月の使用量は大きく変わらないのに、請求が下がった

理由は、最大需要電力(ピーク)対策で基本料金側が改善したケースです。
この場合の手段は、デマンド監視→警報→(必要なら)制御

記事の視覚要素として、デマンド監視装置のイメージ画像があると伝わりやすいです。
画像例:大崎電気工業の製品カテゴリ(デマンド監視装置)


7. ステップ5:効果検証(PDCA)で“やりっぱなし”を防ぐ

省エネは「やって終わり」ではなく、効果検証で次の一手が見えます。PDCAの考え方は上位記事でも整理されています。

総務が運用しやすい検証方法はシンプルです。

  • 施工前の「1〜3か月平均」と施工後の同期間を比較(季節差に注意)
  • 可能なら、平日・休日・夜間の“形”が変わったかを見る
  • 不明点があれば、設備側(タイマー、センサー、スケジュール)を微調整

8. 失敗しない発注ポイント(総務・経営者向け)

見積がブレる原因は性能より「どこまでやるか」の認識差です。相談時にこの3点を渡すと精度が上がります。

  • 対象範囲:何階のどのエリア/照明はどの系統/盤はどこまで触るか
  • 目的指標:電気代/kWh/デマンド/快適性(暗い・寒いクレーム減)

制約条件:工事可能時間、止められない回路、テナント制約の有無