オール電化工事費用を安くする5つのコツ!知らないと損する補助金情報も

「オール電化にしたいけど、工事費用は一体いくらかかるの?」「高額な請求をされないか不安…」とお悩みではありませんか?オール電化の工事費用は、導入する機器や依頼する業者によって大きく変動しますが、正しい知識を持つことで数十万円単位で安くすることが可能です。この記事では、エコキュートやIHクッキングヒーターを含めたオール電化工事の費用相場と詳細な内訳を徹底解説します。さらに、費用を賢く抑えるための「5つのコツ」と、知らないと損をする2024年最新の補助金制度(給湯省エネ2024事業など)の活用方法を具体的にお伝えします。最後まで読めば、ご自宅のケースにおける適正価格を把握し、信頼できる業者に安く依頼するための全てが分かります。

オール電化工事費用の相場と内訳を徹底解説

オール電化の導入を検討する際に、最も気になるのが「一体いくらかかるのか?」という費用面ではないでしょうか。オール電化の工事費用は、大きく分けて「主要機器の本体価格」と「設置にかかる工事費用」の2つで構成されています。この内訳を正しく理解することが、ご自宅に最適なプランを適正価格で実現するための第一歩です。ここでは、オール電化工事費用の全体像から詳細な内訳まで、分かりやすく徹底解説します。

オール電化工事費用の総額相場

オール電化工事の総額は、現在の住まいの給湯・調理設備から、エコキュートとIHクッキングヒーターを新たに導入するのか、それとも既存のオール電化設備を交換するのかによって大きく変動します。一般的に、ガス設備から一式を新規で導入する方が高額になる傾向があります。

一般的な戸建て住宅の場合、ガス給湯器・ガスコンロからオール電化へ新規導入する際の費用相場は70万円~120万円程度、既存のオール電化設備を交換する場合は60万円~100万円程度が目安となります。

工事のケース費用相場備考
新規導入(ガス設備から)70万円 ~ 120万円エコキュート・IH本体価格、設置工事、電気工事、既存設備撤去処分費など全てを含む。
交換(オール電化設備から)60万円 ~ 100万円エコキュート・IH本体価格、交換工事、既存設備撤去処分費を含む。配線や基礎を流用できる場合が多い。

この費用に幅があるのは、導入する機器のグレードや機能、ご自宅の配管・電気設備の状況、そして依頼する業者によって金額が変わるためです。まずはこの総額感を把握した上で、具体的な内訳を見ていきましょう。

【内訳1】主要機器の本体価格

工事費用の中で最も大きな割合を占めるのが、エコキュートとIHクッキングヒーターの本体価格です。最新の省エネ性能や便利な機能を備えたハイグレードなモデルほど価格は高くなります。ここでは、それぞれの機器の費用相場を詳しく解説します。

エコキュートの費用相場

エコキュートの本体価格は、主に「タンク容量」と「給湯タイプ(機能)」によって決まります。家族の人数に合ったタンク容量と、ライフスタイルに合わせた機能を選ぶことが重要です。

本体価格の相場は、一般家庭で多く選ばれる370L~460Lのフルオートタイプで30万円~60万円程度です。メーカー(パナソニック、三菱電機、ダイキン、日立など)やモデルによっても価格は異なります。

給湯タイプ機能費用相場
フルオート自動お湯はり・保温・追いだき・足し湯まで全自動。最も高機能で人気。30万円 ~ 60万円
オート自動お湯はり・追いだき・保温まで自動。足し湯は手動。25万円 ~ 50万円
給湯専用蛇口からお湯を出すだけのシンプルなタイプ。最も安価。20万円 ~ 40万円

IHクッキングヒーターの費用相場

IHクッキングヒーターは、システムキッチンに埋め込む「ビルトインタイプ」が主流です。価格はヒーターの口数やグリルの性能、オールメタル対応などの付加機能によって変動します。

本体価格の相場は、標準的な2口IH+ラジエントヒーターのモデルで10万円~25万円程度が目安となります。天板の素材(ガラストップなど)や操作性も価格に影響します。

タイプ・機能特徴費用相場
標準モデル(2口IH+ラジエント)最も一般的なタイプ。グリル機能も搭載。10万円 ~ 25万円
高機能モデル(3口ともIH)火力が強く、調理効率が高い。グリル性能も高いものが多い。15万円 ~ 35万円
オールメタル対応モデル鉄・ステンレス鍋に加え、アルミ鍋や銅鍋も使用可能。最上位機種。20万円 ~ 40万円

【内訳2】設置にかかる工事費用

機器本体とは別に、設置作業にかかる費用も必要です。工事費用は、ご自宅の状況によって変動する部分が大きく、正確な金額は業者による現地調査を経て見積もりで確定します。ここでは、主な工事内容とその費用相場を解説します。

エコキュートの設置工事費

エコキュートの設置には、重量のある貯湯タンクを設置するための基礎工事や、電気・水道の配線・配管工事が伴います。標準的な設置工事費の相場は10万円~20万円程度です。

主な工事内容は以下の通りです。

  • 既存給湯器の撤去・処分
  • コンクリート基礎工事(エコベース設置)
  • 貯湯タンクユニット・ヒートポンプユニットの搬入・設置
  • 電気配線工事(エコキュート用200V専用回路の増設など)
  • 給水・給湯・追いだき配管の接続工事
  • リモコンの設置
  • 試運転・動作確認

設置場所が狭い、基礎工事が特殊な場合、配管を大幅に延長する必要がある場合などは追加費用が発生することがあります。

IHクッキングヒーターの設置工事費

ガスコンロからIHクッキングヒーターに交換する場合、200Vの専用電気回路をキッチンまで引き込む工事が必要です。設置工事費の相場は4万円~8万円程度となります。

主な工事内容は以下の通りです。

  • 既存ガスコンロの撤去・処分
  • ガス管の閉栓処理
  • IHクッキングヒーター本体の設置
  • 電気配線工事(IH用200V専用回路の増設)
  • 試運転・動作確認

分電盤に空き回路がない場合や、分電盤自体の交換が必要な場合は、追加で電気工事費用がかかります。

電気工事や配管工事の費用

オール電化の導入に伴い、ご家庭の電気設備全体の見直しが必要になる場合があります。特に注意が必要なのが、電力会社との契約アンペア(電気容量)です。

エコキュートとIHクッキングヒーターを同時に使用することも考慮し、契約アンペアを50Aや60Aに変更する必要があるケースが多く、その場合は分電盤の交換や幹線(屋外から引き込む電線)の張り替え工事が発生し、5万円~15万円程度の追加費用がかかることがあります。

また、エコキュートの設置場所と浴室が離れている場合など、給湯や追いだきの配管を延長する工事も追加費用の要因となります。これらの費用は住宅の構造によって大きく異なるため、必ず事前に業者に現地調査を依頼し、見積書で詳細を確認することが大切です。

オール電化工事費用を安くする5つのコツ

オール電化の導入は、初期費用がかかるからと諦めていませんか?実は、いくつかのコツを知っておくだけで、工事費用を大幅に抑えることが可能です。ここでは、賢くオール電化を実現するために、誰でも実践できる5つの具体的な方法を詳しく解説します。これから紹介するコツを実践すれば、数十万円単位で費用が変わることも珍しくありません。

コツ1 複数の業者から相見積もりを取る

オール電化工事の費用を安くするための最も基本的かつ効果的な方法が、複数の業者から相見積もり(あいみつもり)を取ることです。1社だけの見積もりでは、提示された金額が適正価格なのか、工事内容が妥当なのかを判断する基準がありません。業者側の「言い値」で契約してしまい、後からもっと安くできたと後悔するケースは非常に多いのです。

最低でも3社以上の業者に見積もりを依頼しましょう。その際、単に総額を比較するだけでは不十分です。以下のポイントを重点的にチェックしてください。

  • 機器の価格:エコキュートやIHクッキングヒーターのメーカー、型番、価格は明確か。
  • 工事費の内訳:基礎工事、電気工事、配管工事など、それぞれの費用が具体的に記載されているか。
  • 諸経費:既存の給湯器の撤去・処分費用や、出張費などが含まれているか。
  • 保証内容:機器本体のメーカー保証とは別に、業者独自の工事保証はあるか。期間や内容も確認しましょう。

相見積もりを取ることで、業者間での価格競争が働き、より有利な条件を引き出しやすくなります。また、各社の担当者の対応や提案内容を比較することで、価格だけでなく、信頼性や技術力といった側面からも最適な業者を見極めることができます。手間を惜しまずに相見積もりを取得することが、コスト削減への第一歩です

コツ2 補助金や助成金制度を最大限活用する

省エネルギー性能の高い設備を導入するオール電化工事は、国や地方自治体が推進する補助金・助成金制度の対象となる場合があります。これらの制度をうまく活用すれば、工事費用の一部が補助され、自己負担額を大幅に軽減できます

補助金制度は、主に以下のような機関が実施しています。

  • 国:「給湯省エネ2024事業」や「子育てエコホーム支援事業」など、全国を対象とした大規模な制度があります。特に高効率なエコキュートの導入は、高額な補助金の対象となりやすいです。
  • 都道府県:地域独自の環境政策の一環として、補助金制度を設けている場合があります。
  • 市区町村:お住まいの自治体でも、独自の助成金や補助金を用意していることがあります。国の制度と併用できる場合もあるため、必ず確認しましょう。

これらの補助金には、それぞれ申請期間、予算の上限、対象となる機器の条件、世帯の条件などが定められています。人気の制度は予算が早期に終了してしまうこともあるため、工事を計画する段階で、利用できる補助金がないか情報収集を始めることが重要です。多くの施工業者は補助金申請のサポートも行っているため、見積もり依頼の際に相談してみることをおすすめします。

コツ3 給湯器の交換時期など最適なタイミングを狙う

「いつ工事をするか」というタイミングも、費用を左右する重要な要素です。焦って業者を決める状況を避けることで、より有利な条件で契約できる可能性が高まります。

特に意識したいのが、給湯器が完全に故障する前に、計画的に交換を進めることです。お湯が突然使えなくなると、慌てて業者を探し、価格交渉も十分にできないまま契約せざるを得なくなります。一般的に、給湯器の寿命は10年~15年と言われています。設置から10年を過ぎたら、故障の兆候がなくても交換の検討を始めましょう。計画的に進めることで、複数の業者をじっくり比較する時間が確保できます。

また、業者の繁忙期を避けるのも一つの手です。給湯器の故障が多発する冬場は工事業者の繁忙期にあたり、値引き交渉が難しくなったり、工事まで時間がかかったりする傾向があります。一方で、比較的依頼が少ない春から夏にかけては、業者によってはキャンペーンを実施したり、価格交渉に応じやすくなったりすることがあります。

コツ4 機器のグレードや機能を必要最低限にする

オール電化の主要機器であるエコキュートやIHクッキングヒーターは、機能やグレードによって価格が大きく異なります。最新・最高グレードのモデルは魅力的ですが、ご自身の家庭のライフスタイルに本当に必要な機能を見極め、オーバースペックな機器を選ばないことが、費用を抑える賢い選択です。

例えばエコキュートを選ぶ際は、以下の点を考慮しましょう。

  • 給湯タイプ:お風呂の湯はりから保温、足し湯まで自動で行う「フルオート」、湯はりだけ自動の「オート」、蛇口からお湯を出すだけの「給湯専用」などがあります。追い焚き機能を頻繁に使わないのであれば、フルオートより価格の安いオートタイプで十分かもしれません。
  • タンク容量:家族の人数に対して大きすぎるタンクを選ぶと、初期費用が高くなるだけでなく、余分なお湯を沸かすための電気代も無駄になってしまいます。

家族の人数に応じたタンク容量の目安は以下の通りです。

家族の人数タンク容量の目安
2~3人300L~370L
3~5人370L~460L
5~7人460L~550L

IHクッキングヒーターも同様に、3口すべてが高火力である必要はあるか、最新のグリル機能は本当に使うかなど、普段の調理スタイルを振り返り、必要な機能に絞って製品を選ぶことで、初期費用を賢く節約できます。

コツ5 地域密着型の優良業者に依頼する

テレビCMなどで有名な大手リフォーム会社だけでなく、地元で長年営業している地域密着型の専門業者に依頼することも、費用を抑える有効な手段です。大手業者は、広告宣伝費や下請け業者への中間マージンなどが価格に上乗せされている場合がありますが、自社で直接施工を行う地域密着型の業者は、こうした経費が少ないため、比較的安価に工事を提供できる傾向があります。

また、地域密着型の業者は、地元の評判を大切にしているため、丁寧な施工や親身な対応が期待できます。何かトラブルがあった際にも、すぐに駆けつけてくれるフットワークの軽さも魅力です。ただし、業者によって技術力や信頼性には差があるため、安さだけで選ぶのは危険です。施工実績が豊富か、口コミや評判は良いか、見積書の内容は明確か、アフターサポートはしっかりしているかなどを総合的に判断し、信頼できる優良業者を見つけ出すことが重要です。

【2024年最新】知らないと損するオール電化の補助金情報

オール電化の工事費用を大幅に抑えるために、絶対に活用したいのが国や自治体が実施している補助金・助成金制度です。これらの制度は、省エネルギー性能の高い機器の導入を促進するために設けられており、条件に合えば数十万円単位で費用負担を軽減できる可能性があります。しかし、補助金は予算の上限に達し次第、期間内でも受付が終了してしまうため、最新情報をいち早くキャッチし、計画的に行動することが重要です。ここでは、2024年時点で利用できる主要な補助金制度について、詳しく解説します。

国が実施する補助金制度

まずは、全国どこにお住まいの方でも対象となる可能性がある、国が主導する大規模な補助金制度をご紹介します。特にエコキュートの設置は、これらの制度の対象となるケースが多く、見逃せません。

給湯省エネ2024事業

「給湯省エネ2024事業」は、家庭のエネルギー消費で大きな割合を占める給湯分野において、高効率給湯器の導入を支援する制度です。対象となるエコキュートを設置することで、性能に応じて補助金が交付されます。

補助金の対象となるのは、エネルギー消費効率の基準を満たしたエコキュートです。補助額は基本額に加えて、特定の性能要件を満たすことで加算されます。

項目補助額主な要件
基本額8万円/台2025年度の目標基準値を満たす機種
A要件(加算)+2万円/台インターネットに接続可能で、昼間の太陽光発電の余剰電力を活用する機能を持つ機種
B要件(加算)+3万円/台A要件に加え、太陽光発電の自家消費率をさらに向上させる機能を持つ機種
電気温水器の撤去(加算)+5万円/台蓄熱暖房機の撤去を伴う場合は+10万円/台

例えば、B要件を満たすエコキュートを導入し、既存の電気温水器を撤去した場合、合計で「8万円 + 3万円 + 5万円 = 16万円」もの補助が受けられる計算になります。非常に人気のある制度のため、予算の消化スピードが速い傾向にあります。オール電化を検討しているなら、まずこの制度の活用を考えましょう。

子育てエコホーム支援事業

「子育てエコホーム支援事業」は、子育て世帯や若者夫婦世帯による高い省エネ性能を持つ新築住宅の取得や、住宅の省エネリフォームを支援する制度です。リフォームの場合、世帯を問わず利用できます。

この事業では、エコキュートの設置が補助対象工事の一つに含まれています。給湯省エネ2024事業と対象が重複しますが、原則として同一の機器で両方の補助金を併用することはできません。ただし、リフォーム全体で複数の工事を行う場合、工事内容に応じて補助金を使い分けることは可能です。

対象工事補助額
エコ住宅設備の設置(エコキュート)30,000円/戸

この事業は、断熱改修や窓の交換など、他の省エネリフォームと組み合わせて申請することで補助額が大きくなります。業者と相談し、どちらの制度を利用するのが最もお得になるかシミュレーションすることが重要です。

都道府県や市区町村が実施する補助金制度

国の制度に加えて、お住まいの都道府県や市区町村が独自に補助金・助成金制度を実施している場合があります。これらの制度は、国の補助金と併用できる「上乗せ補助」の形をとることもあり、活用できればさらにお得にオール電化を実現できます。

内容は自治体によって様々で、以下のような例があります。

  • 高効率給湯器設置補助金
  • 家庭用エネルギー管理システム(HEMS)導入補助
  • 省エネルギー設備導入支援事業
  • 住宅リフォーム助成金

これらの情報は、お住まいの自治体の公式ホームページで確認するのが最も確実です。「〇〇市 オール電化 補助金」や「〇〇県 エコキュート 助成金」といったキーワードで検索してみてください。募集期間が短かったり、年度の早い時期に締め切られたりすることも多いため、こまめな情報収集が鍵となります。

補助金申請の注意点と流れ

補助金を確実に受け取るためには、正しい手順と注意点を理解しておく必要があります。申請手続きは工事業者が代行してくれるケースがほとんどですが、施主として知っておくべきポイントを押さえておきましょう。

【基本的な申請の流れ】

  1. 情報収集と業者選定:利用したい補助金制度を調べ、その申請手続きに慣れている業者を選びます。
  2. 交付申請:工事契約後、着工前に申請手続きを行います。必要書類は業者が準備をサポートしてくれます。
  3. 工事の実施:交付決定の通知を受けた後、工事を開始します。
  4. 実績報告:工事完了後、完了報告書や写真などを提出します。
  5. 補助金交付:報告書が受理されると、指定の口座に補助金が振り込まれます。

【特に注意すべきポイント】

  • 申請タイミング:最も重要なのが「工事の契約前・着工前」に申請が必要なケースが多いことです。契約や工事を先に進めてしまうと、補助金の対象外となるため絶対に注意してください。
  • 予算と期間:国の大型補助金も自治体の制度も、予算の上限が定められています。公募開始と同時に申請が殺到し、早期に受付終了となることも珍しくありません。検討段階から早めに動き出すことが成功の秘訣です。
  • 対象機器の確認:補助金の対象となるエコキュートやIHクッキングヒーターは、性能要件(型番など)が細かく指定されています。見積もりの際に、業者が提案する機器が補助金の対象になっているか必ず確認しましょう。
  • 併用の可否:国と自治体の補助金など、複数の制度を併用できる場合があります。ただし、併用不可の組み合わせもあるため、利用したい制度それぞれのルールを業者に確認してもらうことが不可欠です。

オール電化工事の業者選びで失敗しないためのポイント

オール電化工事は、決して安い買い物ではありません。エコキュートやIHクッキングヒーターといった住宅設備は、一度設置すると10年以上使い続けるものです。だからこそ、工事を依頼する業者選びが、オール電化の満足度を大きく左右するといっても過言ではありません。ここでは、後悔しないために必ず押さえておきたい業者選びの重要なポイントを3つ、詳しく解説します。

施工実績が豊富か確認する

業者選びでまず確認したいのが、オール電化工事の施工実績です。実績が豊富であることは、単に多くの工事を手掛けてきたというだけでなく、様々な現場で培った高い技術力とノウハウを持っている証拠です。

確認する際は、業者の公式ウェブサイトに掲載されている「施工事例」のページをチェックしましょう。どれくらいの件数をこなしているかだけでなく、写真付きでどのような工事を行ったかが具体的に紹介されているかが重要です。特に、ご自身の住まいと似たような条件(戸建て、マンション、設置場所など)での施工事例があれば、安心して任せられる判断材料になります。また、エコキュートやIHクッキングヒーターなど、オール電化に特化した専門業者であるかどうかも見極めるポイントです。

保証やアフターサポートが充実しているか

オール電化設備は長期間使用するため、万が一の故障や不具合に備えた保証とアフターサポート体制が非常に重要です。保証には大きく分けて「製品保証」と「工事保証」の2種類があります。契約前に、それぞれの内容と期間を必ず書面で確認しましょう。

保証の種類保証内容確認すべきポイント
製品保証(メーカー保証)エコキュートやIHクッキングヒーターなど、機器本体の不具合に対する保証です。通常1〜3年程度が一般的です。有料で5年、8年、10年といった延長保証に加入できるかを確認しましょう。
工事保証(自社保証)設置工事が原因で発生した不具合(水漏れ、配管の接続不良など)に対する施工業者独自の保証です。保証期間(5年、10年など)と保証の対象範囲が明確に記載されているかが重要です。無償保証なのか、保証内容に制限はないかなども確認が必要です。

また、故障やトラブルが発生した際に、すぐに対応してくれるかも大切なポイントです。「24時間365日受付」や「地域密着で迅速対応」など、緊急時のサポート体制が整っている業者を選ぶと、いざという時に安心です。

見積書の内容が明確で分かりやすいか

複数の業者から相見積もりを取った際、その内容をしっかり比較検討することが重要です。信頼できる業者の見積書は、内訳が詳細に記載されており、誰が見ても分かりやすいのが特徴です。

一方で、「工事一式」といった曖昧な記載しかない見積書には注意が必要です。後から「これは含まれていなかった」として、高額な追加料金を請求されるトラブルに発展するケースも少なくありません。

見積書をチェックする際は、以下の項目がすべて明確に記載されているかを確認しましょう。

  • 機器本体の費用:メーカー名、製品名、型番、定価、販売価格が正確に記載されているか。
  • 工事費用:「エコキュート設置工事費」「IH設置工事費」「電気工事費」「配管工事費」「基礎工事費」など、作業内容ごとに費用が細かく分けられているか。
  • 付帯費用:既存の給湯器やガスコンロの撤去・処分費用、試運転費用、諸経費などが含まれているか。
  • 追加料金の有無:追加料金が発生する可能性があるケース(例:特殊な基礎工事が必要な場合など)とその条件、料金について事前に説明があるか。

少しでも不明な点や疑問に思う項目があれば、契約前に必ず担当者に質問し、納得できるまで説明を求めましょう。その際の対応の誠実さも、業者を見極めるための重要な指標となります。

オール電化工事の基本的な流れと期間

「オール電化にしたいけど、どんな手順で進むの?」「工事には何日くらいかかるんだろう?」といった疑問は、多くの方が抱く不安のひとつです。事前に全体像を把握しておくことで、スムーズに計画を進めることができます。ここでは、問い合わせから工事完了までの基本的な流れと、必要となる期間の目安を分かりやすく解説します。

問い合わせから現地調査まで

オール電化工事の第一歩は、信頼できる業者を見つけ、相談することから始まります。この初期段階での準備が、後の工程を円滑に進めるための鍵となります。

ステップ1:業者への問い合わせ・相談

まずは、インターネットやチラシなどで気になる施工業者をいくつかピックアップし、電話やウェブサイトの問い合わせフォームから連絡を取ります。このとき、以下の情報を伝えると、その後の話がスムーズに進みます。

  • 現在の住居形態(戸建て・マンションなど)
  • 家族構成
  • 現在の給湯器(ガス給湯器、電気温水器など)とキッチンのコンロ(ガスコンロなど)の種類
  • 希望する機器(エコキュートのタンク容量やIHの機能など、決まっていれば)
  • オール電化にしたい理由や要望

ステップ2:現地調査の日程調整と実施

正確な見積もりと、ご家庭に最適なプランを提案してもらうために、専門スタッフによる現地調査は絶対に欠かせません。問い合わせ後、業者と都合の良い日時を調整し、調査を依頼します。現地調査では、主に以下の点を確認します。

  • エコキュートの設置スペース:貯湯タンクとヒートポンプユニットを置くための十分なスペースがあるか、搬入経路は確保できるかを確認します。
  • 基礎工事の要否:設置場所の強度や状態によっては、コンクリート基礎の打設が必要になります。
  • 分電盤(ブレーカー)の確認:オール電化に対応できる契約アンペア数か、エコキュートやIH用の専用回路を増設するスペースがあるかなどをチェックします。
  • 既存の配管状況:給水・給湯・排水管の位置や状態を確認し、どのように接続するかを検討します。
  • IHクッキングヒーターの設置場所:キッチンのコンロ設置スペースの寸法や、200V電源の配線ルートを確認します。

この現地調査の際に、疑問や不安に思うことは遠慮なく質問し、しっかりとコミュニケーションを取ることが重要です。所要時間は30分~1時間程度が一般的です。

契約から工事完了までのステップ

現地調査を経て、具体的なプランと見積もりに納得できたら、いよいよ契約、そして工事へと進んでいきます。着工から引き渡しまでの流れを詳しく見ていきましょう。

ステップ3:見積書の提示とプラン決定

現地調査の結果をもとに、業者から詳細な見積書が提出されます。機器の本体価格だけでなく、各種工事費や諸経費の内訳が明確に記載されているかを確認しましょう。複数の業者から相見積もりを取っている場合は、内容をじっくり比較検討し、最も納得のいく業者とプランを選びます。

ステップ4:契約の締結

工事内容、最終的な金額、工期、支払い方法、そして保証やアフターサービスの内容などを書面で確認し、正式に工事請負契約を締結します。契約書は隅々まで目を通し、少しでも不明な点があれば必ずその場で確認・質問しましょう。

ステップ5:電力会社への申請・工事日程の調整

オール電化に適した電気料金プラン(例:時間帯別電灯契約)への変更手続きなど、電力会社への申請が必要になります。これらの手続きは、多くの場合、施工業者が代行してくれます。同時に、機器の発注を行い、お客様の都合に合わせて最終的な工事日を決定します。

ステップ6:施工(工事当日)

いよいよ工事当日です。当日は、業者のスタッフが作業手順や内容を説明してから工事を開始します。一般的な作業の流れは以下の通りです。

  1. 養生:搬入経路や作業場所周辺の床・壁などを、傷や汚れから守るためにシートなどで保護します。
  2. 既存設備の撤去:現在使用しているガス給湯器やガスコンロなどを取り外します。
  3. 新規設備の設置:エコキュートの基礎工事(必要な場合)を行い、貯湯タンクとヒートポンプユニットを設置。キッチンではIHクッキングヒーターを設置します。
  4. 電気・配管工事:分電盤の工事や専用回路の配線、給水・給湯・排水管の接続、リモコンの設置などを行います。
  5. 片付け・清掃:作業で出た廃材などを片付け、周辺を清掃します。

ステップ7:試運転と引き渡し

すべての設置・接続工事が完了したら、機器が正常に作動するか試運転を行います。お客様立ち会いのもと、お湯が出るか、IHが使えるかなどを確認します。その後、担当者から機器の詳しい使い方や日々のお手入れ方法、エラー表示が出た際の対処法などについて説明を受けます。最後に、取扱説明書や保証書を受け取り、すべての工程が完了となります。

工事にかかる期間の目安

オール電化工事を検討し始めてから、実際に使えるようになるまでの期間と、工事自体にかかる日数の目安を知っておくと、計画が立てやすくなります。

問い合わせから工事完了までの全体の期間は、一般的に1ヶ月〜2ヶ月程度を見ておくとよいでしょう。ただし、補助金の申請手続きを行う場合や、人気機種の在庫が品薄な時期は、さらに時間がかかることもあります。

工事当日の作業時間については、設置する機器や住宅の状況によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

工事内容工事期間の目安備考
エコキュートの設置・交換のみ半日~1日コンクリート基礎工事が必要な場合は、養生期間を含めプラス1~2日かかることがあります。
IHクッキングヒーターの設置・交換のみ2時間~半日ガスコンロからの交換で、200Vの専用配線工事が必要な場合は、作業時間が長くなる傾向があります。
エコキュートとIHの同時工事1日~2日最も一般的なオール電化工事のパターンです。多くの場合、1日で完了しますが、作業内容によっては2日にわたることもあります。

これらの期間はあくまで目安です。既存の設備の状況や予期せぬトラブルによっては、予定より時間がかかる可能性もあります。そのため、工事を依頼する際は、事前に業者へ詳細なスケジュールを確認し、余裕を持った計画を立てることが大切です。

まとめ

本記事では、オール電化工事の費用相場と内訳、そして費用を安く抑えるための具体的な5つのコツについて詳しく解説しました。オール電化の導入には40万円~80万円程度の費用がかかるのが一般的ですが、正しい知識を持って計画的に進めることで、費用負担を大幅に軽減することが可能です。

結論として、オール電化工事費用を安くするためには、以下のポイントを実践することが不可欠です。

1. 複数の業者から相見積もりを取り、価格とサービスを比較検討する
2. 「給湯省エネ2024事業」などの国の補助金や、お住まいの自治体の制度を漏れなく活用する
3. ご家庭に必要な機能を見極め、過剰なスペックの機器を選ばない

これらのコツを押さえ、施工実績が豊富で保証のしっかりした優良業者を選ぶことが、長期的に見て最も賢い選択と言えます。まずは複数の業者に問い合わせて、ご自宅の状況に合った見積もりと利用可能な補助金について相談することから始めてみましょう。適切な情報収集と準備が、納得のいく価格で快適なオール電化生活を実現するための鍵となります。