導入実績で比較する非常用発電機メーカーランキングTOP5!信頼できるのはどこ?

BCP対策や災害時の電力確保に不可欠な非常用発電機ですが、どのメーカーを選べば良いか迷っていませんか?この記事では、信頼性の重要な指標となる「導入実績」を基に、国内の主要メーカーを徹底比較し、ランキング形式でご紹介します。メーカー選びで失敗しないためのポイントから、各社の特徴、費用相場、補助金、法定点検まで網羅的に解説。貴社の用途に最適な、信頼できるメーカー選びの決定版です。

非常用発電機メーカー選びで導入実績が重視される理由

非常用発電機は、災害や予期せぬ停電時に事業活動や人命を守るための最後の砦となる重要な設備です。だからこそ、メーカー選びではカタログスペックや価格だけでなく、「導入実績」が極めて重要な判断基準となります。多くの企業や施設に選ばれ、実際に稼働してきたという事実は、机上のデータだけでは測れないメーカーの実力を示す何よりの証拠だからです。ここでは、なぜ導入実績がそれほどまでに重視されるのか、3つの具体的な理由を解説します。

理由1 信頼性と技術力の証明になる

豊富な導入実績は、そのメーカーの製品が長年にわたり多くの顧客から信頼を得てきた証です。特に、人命に直結する病院、膨大なデータを扱うデータセンター、社会インフラを担う官公庁など、絶対に電源を止めることが許されない重要施設への導入実績は、メーカーが持つ高い技術力と製品の信頼性を客観的に証明しています。

これらの施設では、消防法や建築基準法で定められた基準をクリアするだけでなく、さらに厳しい独自の設置基準や性能要件が求められることが少なくありません。数々の厳しい要求に応え、納入を成功させてきた実績は、そのままメーカーの技術的な信頼性の高さを示していると言えるでしょう。災害時に確実に稼働した、長期間安定して運用できたという実績は、カタログスペックだけでは決してわからない「本物の信頼性」を物語っています。

導入先の施設タイプ求められる性能・信頼性実績が証明すること
病院・医療施設人命維持装置などへの確実な電力供給、瞬時の起動性能極めて高い安全性と安定稼働の実力
データセンター・通信施設サーバーを保護するための高品質な電力、24時間365日の連続稼働能力精密機器に対応する電力品質と耐久性
官公庁・防災拠点災害時における確実な稼働、厳しい法的基準への準拠社会インフラを支える高い公共性と技術力
大規模商業施設・工場事業継続(BCP)のための大容量電力、多様な負荷への対応力幅広いニーズに応える製品ラインナップと対応力

理由2 豊富なノウハウで最適な提案が期待できる

導入実績が豊富なメーカーは、多種多様な業種、規模、設置環境での課題を解決してきた経験を持っています。この蓄積されたノウハウは、これから非常用発電機を導入しようとする企業にとって、非常に価値のあるものです。

例えば、「設置スペースが限られている」「周辺環境への配慮から騒音や振動を極限まで抑えたい」「特殊な生産設備に合わせた電力供給が必要」といった、それぞれの施設が抱える固有の課題に対し、過去の成功事例に基づいた最適な解決策を提案してくれます。単に製品を販売するだけでなく、設置場所の選定から関連法規のクリア、効率的な運用方法まで含めた、総合的なコンサルティングが期待できるのです。経験の浅いメーカーでは見過ごしがちなリスクや注意点も、実績豊富なメーカーなら事前に洗い出し、的確な対策を講じることができます。

理由3 全国規模の保守メンテナンス体制が整っている

非常用発電機は、消防法により定期的な点検が義務付けられており、その性能を維持するためには導入後の保守メンテナンスが不可欠です。いざという時に確実に稼働させるためには、日頃からの備えが何よりも重要になります。

全国に多数の導入実績を持つ大手メーカーは、その実績に比例して全国を網羅するサービスネットワークを構築しています。これは、どの地域に事業所があっても、迅速かつ均質なレベルのメンテナンスを受けられるという大きな安心につながります。万が一のトラブル発生時にも、最寄りの拠点から専門技術者がスピーディーに駆けつけてくれるため、事業停止のリスクを最小限に抑えることが可能です。部品の供給体制も安定しており、長期にわたって安心して運用を任せられる点は、事業継続計画(BCP)の観点からも極めて重要なポイントと言えるでしょう。

失敗しない非常用発電機メーカーの選び方 5つのポイント

非常用発電機は、一度導入すると15年、20年と長期間にわたって使用する重要な設備です。だからこそ、メーカー選びは慎重に行わなければなりません。ランキングを見る前に、まずは自社にとって最適なメーカーを見極めるための「5つの選定基準」をしっかりと押さえておきましょう。この基準を持つことで、各メーカーの特徴をより深く理解し、後悔のない選択が可能になります。

ポイント1 用途と設置場所に合った燃料の種類で選ぶ

非常用発電機の心臓部であるエンジンは、使用する燃料によって特性が大きく異なります。主な燃料は「ディーゼル」「ガスタービン」「LPガス」の3種類です。それぞれのメリット・デメリットを理解し、施設の用途や設置環境に最適なものを選びましょう。

燃料の種類メリットデメリット主な用途・設置場所
ディーゼル・熱効率が高く燃費が良い
・起動時間が短い
・製品ラインナップが豊富で安価
・燃料(軽油)が入手しやすい
・騒音や振動が大きい
・排気ガスに黒煙が含まれる
・燃料の長期保管で劣化する可能性がある
工場、大規模商業施設、病院、建設現場など、大容量の電力が必要で、騒音対策がある程度可能な場所
ガスタービン・低騒音、低振動
・軽量でコンパクト
・排気ガスがクリーン
・メンテナンス性が高い
・燃料消費量が多い(燃費が悪い)
・低負荷時の効率が低い
・導入コストが高い傾向にある
オフィスビル、データセンター、ホテル、放送局など、都市部で騒音・振動・排ガス規制が厳しい場所
LPガス・燃料が劣化せず長期保管が可能
・排気ガスが非常にクリーン
・災害時の燃料供給(バルク供給)に強い
・メンテナンスが比較的容易
・燃料ボンベやタンクの設置スペースが必要
・燃料コストが比較的高め
・大容量モデルのラインナップが少ない
病院、介護施設、学校、小規模オフィスなど、BCP対策として燃料の安定確保を最優先したい施設

ディーゼル発電機の特徴

現在、国内で最も普及しているのがディーゼル発電機です。最大の魅力は、熱効率の高さと燃料コストの安さにあります。軽油を燃料とし、パワフルで大きな出力を得やすいため、大規模な施設でも安定した電力供給が可能です。ただし、運転時の騒音や振動が大きく、排気ガス対策も必要なため、都市部の密集地や屋内への設置には防音・換気設備などの配慮が求められます。

ガスタービン発電機の特徴

ガスタービン発電機は、航空機のジェットエンジンと同じ原理でタービンを回して発電します。圧倒的な低騒音・低振動とクリーンな排気が最大の特徴で、屋上などの限られたスペースにも設置しやすい軽量・コンパクトさも魅力です。病院やデータセンターなど、周辺環境への配慮が不可欠な施設に最適ですが、導入コストや燃料コストはディーゼルに比べて高くなる傾向があります。

LPガス発電機の特徴

LPガス発電機は、燃料の劣化がないため長期保管に強く、災害時でも安定した燃料供給が期待できるBCP対策のエースとして注目されています。排気ガスもクリーンで、メンテナンスも比較的容易です。一方で、燃料タンクの設置スペースが必要になる点や、大容量のモデルが少ない点には注意が必要です。人命に関わる医療施設や福祉施設などで、その真価を発揮します。

ポイント2 必要な出力容量(kVA)を正確に計算する

非常用発電機を導入する上で、出力容量の計算は最も重要なプロセスの一つです。容量が小さすぎれば、いざという時に必要な機器を動かせず、事業継続や人命救助に支障をきたします。逆に大きすぎると、導入コストやランニングコストが無駄になってしまいます。

出力容量は「kVA(キロボルトアンペア)」という単位で表され、以下のステップで算出します。

  1. 防災負荷の洗い出し:消防法で定められた消防用設備(スプリンクラー、消火栓ポンプ、排煙設備など)や、避難に必要な非常用照明などの電力を計算します。
  2. 保安負荷の洗い出し:事業継続に必要な設備(サーバー、生産ライン、通信機器、医療機器など)や、最低限の事業活動に必要な照明・空調などの電力を計算します。
  3. 始動電流の考慮:モーターを使用する機器(ポンプやエレベーターなど)は、起動時に定格電流の数倍の「始動電流」が流れます。これを考慮しないと、発電機が過負荷で停止してしまう危険があります。

これらの計算は専門的な知識を要するため、自己判断は非常に危険です。必ずメーカーや専門の販売店に相談し、現地調査の上で正確な負荷計算を依頼しましょう。その提案内容を比較検討することが、最適な容量選定につながります。

ポイント3 消防法や建築基準法など関連法規への対応を確認する

非常用発電機の設置と運用は、人命や財産を守るために、消防法や建築基準法、電気事業法など、様々な法律によって厳しく規制されています。これらの法規を遵守しなければ、罰則の対象となるだけでなく、建物の使用許可が下りないといった深刻な事態を招く可能性があります。

特に重要な関連法規は以下の通りです。

  • 消防法:特定防火対象物への設置義務、定期的な点検と消防署への報告義務(負荷試験など)が定められています。
  • 建築基準法:非常用照明や排煙設備、非常用エレベーターなどへの電源として設置が義務付けられています。
  • 電気事業法:自家用電気工作物として扱われ、保安規程の作成や電気主任技術者の選任が求められます。
  • 大気汚染防止法・騒音規制法など:設置する自治体の条例に基づき、排出ガスや騒音・振動の基準をクリアする必要があります。

これらの法規は複雑に絡み合っており、専門知識なしに対応するのは困難です。そのため、各種申請手続きの代行や、法改正に関する情報提供など、コンプライアンス面で手厚いサポートを提供してくれるメーカーを選ぶことが、安心して発電機を導入・運用するための鍵となります。

ポイント4 アフターサポートとメンテナンス体制を比較する

非常用発電機は「設置したら終わり」ではありません。災害時に確実に性能を発揮するためには、日々の点検と定期的な専門メンテナンスが不可欠です。メーカーを選ぶ際には、製品の性能だけでなく、導入後のアフターサポート体制を必ず比較検討してください。

比較すべきチェックポイントは以下の通りです。

  • 全国サービス網の有無:災害は場所を選びません。全国にサービス拠点があり、迅速に駆けつけてくれる体制が整っているか。
  • 24時間365日対応:深夜や休日でも、緊急のトラブルに対応してくれるコールセンターや出動体制があるか。
  • 技術者の専門性:自社製品を熟知した専門の技術者がメンテナンスを担当してくれるか。
  • 部品の供給体制:長期間の使用に耐えうるよう、交換部品を安定的に供給できる体制があるか。
  • メンテナンスプランの柔軟性:消防法で定められた負荷試験や内部観察を含め、施設の状況に合わせた最適なメンテナンスプランを提案してくれるか。

導入実績が豊富なメーカーほど、全国規模で強固なメンテナンスネットワークを構築している傾向にあります。万が一の事態に備え、信頼できる保守パートナーとなり得るメーカーを選びましょう。

ポイント5 BCP対策としての機能性をチェックする

近年の激甚化する自然災害や、予測不能な社会情勢を受け、非常用発電機は単なる「停電対策」から、事業を止めないための「BCP(事業継続計画)対策」の中核設備へとその重要性を増しています。

BCPの観点から発電機を選ぶ際には、以下のような付加機能にも注目しましょう。

  • 長時間運転への対応:燃料の備蓄量だけでなく、外部のタンクから自動で給油するシステムや、より燃費の良い運転モードなど、長期間の停電を想定した機能があるか。
  • 遠隔監視システム:インターネットを介して、発電機の運転状況や燃料残量、異常の有無を24時間監視できるシステム。異常発生時に迅速な対応が可能となり、BCPの実効性を高めます。
  • ブラックアウトスタート機能:大規模停電(ブラックアウト)で電力系統が完全に停止した状態からでも、外部電源なしで自立して起動できる機能。
  • 並列運転機能:複数の発電機を連携させ、電力需要に応じて運転台数を制御するシステム。信頼性の向上はもちろん、燃料消費を抑える効果も期待できます。

自社のBCPにおいて「何を」「どれくらいの期間」「どのレベルで」守る必要があるのかを明確にし、それを実現するための機能を備えた発電機と、それを提案できるメーカーを選ぶことが極めて重要です。

【導入実績で比較】非常用発電機メーカーランキングTOP5

非常用発電機は、災害や停電時に事業継続を支える重要な設備です。そのため、メーカー選定では何よりも信頼性が問われます。ここでは、国内における豊富な導入実績を基に、信頼できる非常用発電機メーカーをランキング形式でご紹介します。各社の強みや特徴を比較し、最適な一社を見つけるための参考にしてください。

1位 三菱重工エンジン&ターボチャージャ

三菱重工エンジン&ターボチャージャは、総合重工業メーカーである三菱重工グループの一員として、発電システム事業を手掛けています。特に大容量のディーゼル発電設備において業界トップクラスのシェアを誇り、その技術力と信頼性は国内外で高く評価されています。データセンターや大規模工場、放送局、国際空港といった、一瞬の停電も許されない重要施設での導入実績が、その性能を何よりも雄弁に物語っています。社会インフラを根底から支える、まさに王道ともいえるメーカーです。

項目特徴
主力製品ディーゼル発電装置、ガスタービン発電装置
出力範囲500kVA~6,000kVA超(ディーゼル)
強み・得意分野・大規模施設向けの大容量・高出力モデル
・社会インフラを支える圧倒的な信頼性と耐久性
・長年の実績に裏打ちされた高度な技術力と提案力
主な導入先データセンター、官公庁、大規模工場、病院、空港、放送局など

2位 ヤンマーエネルギーシステム

「YANMAR」ブランドで知られるヤンマーグループの中で、エネルギーシステム分野を担うのがヤンマーエネルギーシステムです。常用・非常用を問わず、ガスエンジン・ディーゼルエンジン両方の発電システムで豊富なラインナップを揃えています。特に、発電時の排熱を有効活用するコージェネレーションシステム(熱電併給)の提案に強く、BCP対策と同時に省エネルギーやCO2削減を実現したい企業から絶大な支持を得ています。環境性能と経済性を両立させたい場合に、有力な選択肢となるメーカーです。

項目特徴
主力製品ディーゼル発電装置、ガスエンジン発電装置、コージェネレーションシステム
出力範囲10kVA~3,000kVA超(ディーゼル)
強み・得意分野・中・小容量から大容量まで幅広い製品ラインナップ
コージェネレーションシステムによる省エネ・環境ソリューション提案
・全国を網羅するきめ細やかなメンテナンス体制
主な導入先商業施設、工場、病院、福祉施設、農業施設、オフィスビルなど

3位 デンヨー

デンヨーは、エンジン発電機、エンジン溶接機の分野で国内トップシェアを誇る専門メーカーです。特に建設現場などで使用される可搬型(移動式)発電機で圧倒的な知名度を誇りますが、その技術力は非常用の定置式発電装置にも活かされています。過酷な環境下で培われた高い耐久性と信頼性、そして優れた静音性が特徴です。比較的小規模なビルや店舗、通信基地局など、設置スペースや騒音に配慮が必要な場所で多くの導入実績があります。現場を知り尽くしたメーカーならではの、堅実な製品づくりが魅力です。

項目特徴
主力製品ディーゼル発電装置(定置式・可搬型)
出力範囲10kVA~1,100kVA(定置式)
強み・得意分野・可搬型発電機で培った高い耐久性と静音技術
・コンパクトな設計で設置自由度が高いモデルが豊富
・全国の建設・土木現場で証明された信頼性
主な導入先オフィスビル、店舗、通信基地局、工場、建設現場、イベント会場など

4位 日本車輌製造(日車)

日本車輌製造(日車)は、新幹線をはじめとする鉄道車両の製造で有名なメーカーですが、その高い技術力を活かして産業機械分野も手掛けており、非常用発電装置もその一つです。鉄道という高い安全性が求められる分野で培った、堅牢な設計と長期的な信頼性が最大の強みです。特に、必要な機器をすべてコンテナや筐体に収めたパッケージ型の発電装置に定評があり、品質管理の行き届いた製品を迅速に設置できる点が評価されています。官公庁や学校、病院など、公共性の高い施設での実績が豊富です。

項目特徴
主力製品ディーゼル発電装置(パッケージ型)
出力範囲20kVA~800kVA
強み・得意分野鉄道車両製造で培われた堅牢設計と高い信頼性
・設置が容易で品質が安定しているパッケージ型製品
・官公庁や公共施設での豊富な納入実績
主な導入先官公庁、学校、病院、上下水道施設、オフィスビルなど

5位 明電舎

明電舎は、発電・変電・送電といった電力システム全般を扱う総合重電メーカーです。非常用発電機の製造だけでなく、受変電設備や無停電電源装置(UPS)なども手掛けており、電力インフラ全体を俯瞰したトータルソリューションを提供できるのが最大の強みです。特に大規模な工場やプラント、上下水道施設など、電力の安定供給が事業の根幹をなす施設において、システム全体としての信頼性を確保したい場合に頼りになる存在です。発電機単体だけでなく、電力システム全体の最適化を求めるニーズに応えます。

項目特徴
主力製品ディーゼル発電装置、ガスタービン発電装置
出力範囲220kVA~2,500kVA(ディーゼル)
強み・得意分野・重電メーカーとしての電力システム全体の設計・構築力
・受変電設備やUPSと連携した最適なソリューション提案
・大規模プラントや社会インフラ施設での豊富な実績
主な導入先工場、プラント、上下水道施設、データセンター、研究施設など

ランキング上位の非常用発電機メーカーを徹底比較

ここでは、導入実績ランキングで上位にランクインした5つのメーカーについて、それぞれの特徴や強み、主な導入先を深掘りして解説します。各メーカーが得意とする分野や技術は異なり、施設の規模や用途によって最適な選択肢は変わります。自社のニーズに最も合致するメーカーを見つけるための参考にしてください。

三菱重工エンジン&ターボチャージャの特徴と主な導入先

三菱重工エンジン&ターボチャージャは、総合重工業メーカーである三菱重工グループの一員として、産業用ディーゼルエンジン・ガスエンジンで圧倒的な実績を誇ります。特に大規模施設向けの非常用ディーゼル発電機において、国内トップクラスのシェアと信頼性を確立しています。その技術力は、社会インフラを支える重要な施設で数多く採用されていることからも明らかです。

長年の経験で培われた高い技術力と信頼性により、データセンターや大規模病院、放送局など、万が一の停電も許されないミッションクリティカルな施設から絶大な支持を得ています。全国に広がるサービスネットワークによる、迅速かつ手厚い保守メンテナンス体制も大きな強みです。

項目特徴
主力製品ディーゼル発電装置「MGSシリーズ」
燃料の種類ディーゼル(軽油、A重油)
出力範囲500kVA~3,000kVA超の高中出力帯が中心
得意な分野大規模施設、データセンター、病院、工場、通信施設、官公庁
強み・圧倒的な信頼性と耐久性
・国内トップクラスの納入実績
・全国規模の手厚いアフターサービス体制

主な導入先としては、大手通信キャリアのデータセンター、都市部の基幹病院、テレビ局の放送センター、大規模製造工場などが挙げられます。社会インフラの中枢を担い、絶対に電源を落とせない重要施設には、まず第一候補となるメーカーと言えるでしょう。

ヤンマーエネルギーシステムの特徴と主な導入先

ヤンマーエネルギーシステムは、小型ディーゼルエンジンで世界的に有名なヤンマーグループのエネルギー分野を担う企業です。非常用発電機においては、ディーゼルだけでなくLPガスや都市ガスを燃料とするガスエンジン発電機(GHP)やコージェネレーションシステムで高い評価を得ています。環境負荷の低減や燃料備蓄の容易さから、近年ガス発電機の需要は高まっています。

特に中小規模のビルや商業施設、介護施設など、幅広い施設への導入実績が豊富です。常用・非常用兼用モデルもラインナップしており、BCP対策と同時にエネルギーコストの削減や環境貢献を実現したいというニーズに応えられるのが大きな特徴です。

項目特徴
主力製品ディーゼル発電装置、ガスヒートポンプ(GHP)、マイクロコージェネレーションシステム
燃料の種類ディーゼル、LPガス、都市ガス
出力範囲10kVA~1,000kVA程度の中小出力帯が中心
得意な分野オフィスビル、商業施設、ホテル、病院・介護施設、学校
強み・環境性能の高いガスエンジン発電機の豊富なラインナップ
・常用・非常用兼用によるエネルギーソリューション提案
・コンパクトで設置しやすいモデルが多い

主な導入先は、スーパーマーケットや店舗、中小規模のオフィスビル、クリニック、老人ホームなど多岐にわたります。燃料の劣化がなく長期保管が可能なLPガス発電機は、特に災害時のBCP対策として注目されており、多くの自治体や民間施設で採用が進んでいます。

デンヨーの特徴と主な導入先

デンヨーは、可搬型のエンジン発電機や溶接機において国内シェアNo.1を誇る専門メーカーです。建設現場やイベント会場などで見かける「Denyo」のロゴは、その高い実績と信頼の証と言えます。屋外での過酷な使用環境を想定した堅牢な設計と、高い耐久性が最大の強みです。

常設用の非常用発電機も製造しており、特に小規模施設向けのパッケージ型発電機に定評があります。また、防災倉庫に備蓄される可搬型発電機や、災害時に活躍する移動電源車など、防災分野での実績も豊富です。静音性に優れたモデルも多く、市街地での使用にも配慮されています。

項目特徴
主力製品可搬型ディーゼル発電機、パッケージ型非常用発電装置
燃料の種類ディーゼル
出力範囲数kVAの小型機から500kVA程度の中型機まで
得意な分野建設現場、イベント会場、小規模事業所、防災備蓄、移動電源車
強み・可搬型発電機で国内トップシェア
・屋外での使用に耐える高い堅牢性と耐久性
・優れた静音性能を持つモデルも多数

導入先は、全国の建設・土木現場はもちろんのこと、地方自治体の防災拠点、小規模な工場や店舗、農業施設など、非常に幅広いです。「必要な時に、必要な場所へ電源を運ぶ」というニーズに対して、最も信頼性の高い選択肢を提供できるメーカーです。

日本車輌製造(日車)の特徴と主な導入先

日本車輌製造(日車)は、新幹線をはじめとする鉄道車両の製造で広く知られていますが、その技術を応用した発電装置も手掛けています。特に航空機エンジンをベースとしたガスタービン発電機「NEXPOWER」シリーズに強みを持っています。ガスタービンはディーゼルに比べて小型・軽量で、振動や騒音が少ないという大きなメリットがあります。

この特性を活かし、設置スペースが限られる都市部のビルや、振動を嫌う精密機器を扱う施設などで多く採用されています。特に、屋上への設置が求められるケースでは、その軽量さが大きなアドバンテージとなります。起動時間が短いこともガスタービンの特徴で、瞬時のバックアップが求められる用途にも適しています。

項目特徴
主力製品ガスタービン発電装置「NEXPOWER」
燃料の種類灯油、軽油、都市ガスなど
出力範囲350kVA~2,000kVA程度
得意な分野都市部の高層ビル、商業施設、病院、データセンター(屋上設置)
強み・小型・軽量で屋上設置に適している
・低振動、低騒音で周辺環境への影響が少ない
・冷却水が不要でメンテナンス性に優れる

主な導入先は、東京や大阪などの大都市圏にあるオフィスビル、ホテル、病院などです。設置場所の制約が厳しい都市部の施設において、ガスタービン発電機は非常に有力な選択肢となり、その分野で日車は高い競争力を持っています。

明電舎の特徴と主な導入先

明電舎は、発電・変電・送電といった電力システム全般を手掛ける重電メーカーです。非常用発電機単体だけでなく、無停電電源装置(UPS)や受変電設備と組み合わせた、信頼性の高いトータルな電力ソリューションを提供できることが最大の強みです。電力インフラに関する深い知見と技術力で、顧客の複雑なニーズに応えます。

特に、上下水道施設や官公庁、大規模工場など、社会インフラを支える重要施設への納入実績が豊富です。発電機の製造から設置工事、系統連系、そして保守メンテナンスまでを一貫して手掛けることができるため、ワンストップでの対応を求める顧客から高く評価されています。

項目特徴
主力製品ディーゼル発電装置、ガスタービン発電装置
燃料の種類ディーゼル、A重油、都市ガスなど
出力範囲中出力から大出力まで幅広く対応
得意な分野上下水道施設、官公庁、大規模工場、電力関連施設
強み・UPS等を含む電力システム全体の提案力
・社会インフラ分野での豊富な実績と技術力
・設計から保守まで一貫したサービス提供体制

導入先としては、全国の浄水場や下水処理場、県庁や市役所などの公共施設、大手メーカーの基幹工場などが挙げられます。単なるバックアップ電源ではなく、施設全体の電力安定供給をシステムとして構築したい場合に、最も頼りになるメーカーの一つです。

ランキング圏外でも注目すべき国内の非常用発電機メーカー

TOP5ランキングには入らなかったものの、特定の分野で強みを持っていたり、独自の技術力で高い評価を得ていたりするメーカーも存在します。ここでは、選択肢を広げるうえでぜひ知っておきたい、注目の国内非常用発電機メーカーを2社ご紹介します。

カミンズジャパン

カミンズジャパンは、世界最大級の独立系エンジンメーカーである米国カミンズ社の日本法人です。グローバルで培われた圧倒的な技術力と実績を背景に、特に大規模施設やデータセンターなど、極めて高い信頼性が求められる分野で絶大な支持を得ています。

エンジンから発電機、制御システムに至るまで、主要コンポーネントを自社で一貫して設計・製造しているのが最大の強み。これにより、各機器の最適な組み合わせとシステム全体としての高いパフォーマンス、そして信頼性を実現しています。世界中のあらゆる環境で稼働してきた実績は、製品の品質を何よりも雄弁に物語っています。

項目特徴
強みデータセンターや病院などミッションクリティカルな施設への豊富な導入実績。世界基準の高い信頼性と技術力。
製品ラインナップ小型から2,500kWを超える超大型クラスまで、幅広い出力のディーゼル発電機。
技術・性能エンジン、発電機、制御システムを自社で統合設計・製造。システム全体での高いパフォーマンスと信頼性を実現。
サポート体制グローバルネットワークを活かした部品供給と、国内の認定ディーラーによるメンテナンス体制。

コマツ

建設機械・鉱山機械の分野で世界的に知られるコマツも、そのコア技術であるエンジンを活かして非常用発電機を製造・販売しています。最大の魅力は、過酷な現場で鍛え抜かれた建設機械由来のエンジンがもたらす、圧倒的な堅牢性と耐久性です。

災害時など、いかなる悪条件下でも確実に稼働することが求められる非常用発電機にとって、この信頼性は大きなアドバンテージとなります。また、建設機械で培った全国規模のサービスネットワークも強みの一つ。万が一のトラブル時にも、迅速な対応が期待できるため、BCP(事業継続計画)対策を重視する工場やインフラ施設などから高く評価されています。

項目特徴
強み建設機械で培われたエンジンの高い耐久性と信頼性。タフな環境下での安定稼働に定評。
製品ラインナップ主に中小規模の施設向けディーゼル発電機が中心。特に屋外設置型のパッケージ発電機に強み。
技術・性能自社製エンジンの搭載による高い品質管理。長年のノウハウを活かした堅牢な設計。
サポート体制全国に広がる建設機械のサービス網を活用した、迅速で手厚いメンテナンス・サポート体制。

非常用発電機の導入に関するよくある質問

非常用発電機の導入を検討する際、多くの方が抱く疑問について解説します。特に費用、補助金、そして導入後の法定点検は、計画段階で必ず押さえておきたい重要なポイントです。事前に正しい知識を身につけ、スムーズな導入と適切な維持管理を実現しましょう。

導入にかかる費用や価格の相場は?

非常用発電機の導入費用は、本体価格だけでなく、設置工事費や各種申請費用なども含めて考える必要があります。価格は発電機の出力容量(kVA)、燃料の種類、設置場所の状況、そしてメーカーによって大きく変動します。

一概に「いくら」とは言えませんが、一般的な価格帯の目安は以下の通りです。ただし、これはあくまでも参考であり、正確な費用を知るためには、必ず複数のメーカーや販売店から見積もりを取得してください。

出力容量(kVA)価格帯の目安主な用途
10~30kVA300万円~800万円小規模なクリニック、コンビニエンスストア、データセンターのサーバールームなど
50~200kVA800万円~2,500万円中小規模の工場、スーパーマーケット、介護施設、オフィスビルなど
300~750kVA2,500万円~7,000万円大規模な商業施設、病院、工場、データセンターなど
1000kVA以上8,000万円以上大規模工場、再開発エリアのビル、空港、プラントなど

上記の費用に加え、以下のような費用が別途必要になる場合があります。

  • 基礎工事費:発電機を設置するためのコンクリート基礎を造成する費用。
  • 電気工事費:発電機と建物の配電盤を接続するための配線工事費用。
  • 燃料設備工事費:燃料タンクや配管を設置する費用。
  • 搬入・据付費:重量物である発電機を設置場所まで運び、据え付ける費用。クレーン車が必要になることもあります。
  • 各種申請費用:消防法や建築基準法、電気事業法などに基づく届出や申請に関わる費用。

このように、導入費用は様々な要素によって構成されます。トータルコストを把握するためにも、専門業者への現地調査依頼と詳細な見積もりが不可欠です。

補助金を活用することはできる?

はい、非常用発電機の導入にあたり、国や地方自治体が提供する補助金や助成金、税制優遇措置などを活用できる場合があります。これらを活用することで、初期費用を大幅に抑えることが可能です。

補助金の多くは、企業のBCP(事業継続計画)対策強化や、地域の防災力向上を目的としています。代表的な制度には以下のようなものがあります。

  • 中小企業等経営強化法に基づく税制措置:中小企業がBCP対策として自家発電設備などを導入した場合に、固定資産税の軽減措置を受けられる可能性があります。
  • 各地方自治体の防災設備導入補助金:都道府県や市区町村が独自に設けている補助金制度です。例えば、災害時の拠点となる施設(病院、福祉施設など)への導入を支援するものが多く見られます。
  • エネルギー関連の補助金:コージェネレーションシステム(熱電併給)を搭載した高効率な発電機を導入する場合、省エネルギー関連の補助金対象となることがあります。

ただし、これらの補助金制度は公募期間が定められており、年度ごとに内容が変更されたり、予算上限に達し次第終了したりします。そのため、導入を計画する際は、常に最新の情報を国や自治体のウェブサイトで確認することが重要です。また、申請手続きが複雑な場合も多いため、補助金申請のサポート実績が豊富なメーカーや販売代理店に相談することをおすすめします。

法定点検の種類と頻度は?

非常用発電機は、消防法や建築基準法により定期的な点検と報告が義務付けられています。これは、万が一の災害時に発電機が確実に性能を発揮できるようにするためです。点検を怠ると罰則の対象となるだけでなく、何よりも人命や事業継続に関わる重大なリスクとなります。

主な法定点検の種類と頻度は以下の通りです。

点検の種類関連法規点検頻度主な点検内容
機器点検消防法6ヶ月に1回発電機本体や制御装置の外観、機能の確認。消耗品の交換や簡易な整備。
総合点検消防法1年に1回機器点検の内容に加え、実際に発電機を運転させ、総合的な機能を確認する。
負荷試験
(または内部観察等)
消防法1年に1回
(※条件により6年に1回に延長可)
負荷試験:擬似負荷装置などを用いて定格出力の30%以上の負荷をかけ、性能維持を確認。
内部観察等:負荷試験に代わる点検。コンプレッサー翼や燃焼器などを分解し、内部の状態を確認。
定期検査建築基準法おおむね1年に1回建築物に設けられた非常用の照明装置の電源として設置されている場合に必要。

特に重要なのが「負荷試験」です。長期間無負荷や軽負荷での運転を続けると、エンジン内部にカーボンが堆積し、いざという時に十分な性能を発揮できない恐れがあります。負荷試験は、発電機が非常時に本来の性能を発揮できるかを確認するための、極めて重要なメンテナンスです。

これらの専門的な点検は、有資格者が在籍する専門業者に委託する必要があります。メーカーや販売店のアフターサポート体制を確認し、導入後も継続的に保守・メンテナンスを依頼できる信頼性の高いパートナーを選ぶことが肝心です。

まとめ

本記事では、導入実績を基にした非常用発電機メーカーランキングと、失敗しないための選び方を解説しました。豊富な導入実績は、メーカーの信頼性や技術力、全国規模の保守体制が充実していることの証明です。三菱重工やヤンマーなど各社に強みがあるため、用途に合った燃料や出力、法規制への対応、BCP対策などを総合的に比較し、自社に最適なメーカーを選ぶことが重要です。この記事を参考に、万一の事態に備える信頼できるパートナーを見つけてください。